- 2009-12-11 (金) 13:15
- 神社
投稿者:吉祥さん
リクエストがあったので天川~吉野周辺の神社についてまとめてみました。
吉野の神社
◎丹生川上神社 下社(にうかわかみじんじゃ しもしゃ)
吉野から天河に向かって車で山道を進むと素敵な鳥居のある落ち着いた丹生川上神社・下社に出逢います。境内の石段を登ると歴史を感じさせる拝殿がありその脇にご神水の井戸があります。
伝承によれば丹生社の鳥居が洪水によって流されてきたので、それを拾って神体として祀ったのが始まりとされています。丹生川流域には「丹生神社」が点在しています。
「丹」と云うのは水銀のことでこの地名を関する土地ではかつて水銀が取れたと云う学者もいます。また近くには御酒井・五色井・吹分井・御食井・祈願井・御手洗井・罔象女井・降臨井・鍛人井といった多くの井戸が湧出しているので古くからの水神信仰があったともされています。
江戸時代まではご祭神は高鮴乱_(たかおかみのかみ)さまとされていましたが明治時代に闇鮴乱_(くらおかみのかみ)さに改められたそうです。
どちらも水の神さまです。
鮴浴iおかみ)は龍の意味もあるとも云われています。
吉野の山中を逍遥していると龍神さまをお祀りしている神社仏閣が多いことに気づきます。山の豊かな水源に人々は神さまを感じたのでしょう。
闇鮴乱_(くらおかみのかみ)さまは高鮴乱_(たかおかみのかみ)さまとともに「神産み」の神話で伊邪那岐神が迦具土神を斬り殺した際に生まれた神さまです。
・・・と云うとちょっと怖い感じもしますが神主さんは以下のように云っておられました。
「ここの神さまはね日本の昔からいらっしゃる神さまなんですよ。
よく「オカミサン」っていうでしょ?この神さまのことなの。
だからあんたも神さま。「オカミサン」だからね。」
神主さんは気さくで素晴らしい方です。もしお会いできたらご挨拶してみてください。きっと素敵なお話が聞けますよ。
天河の「ごろごろ水」は日本名水百選にも選ばれています。
名物・・・かどうかはわかりませんが途中のドライブインで売られていた玉こんにゃくがピリ辛でおいしかったです。
http://www.genbu.net/data/yamato/nyusimo_title.htm
奈良県吉野郡下市町長谷1-1
アクセス:近畿日本鉄道 下市口駅 から奈良交通バスで長谷下車。
◎金峯神社(きんぶじんじゃ)
吉野の山の奥深く。車でくねくねした九十九折の道を登っていくと金峯神社にたどり着きます。乗り物に弱い方にはちょっと辛いかも??
駐車場に車を停めて少し進むと長い石段の先に金峯神社の拝殿があります。
金峯神社は吉野山の一番奥にある神社です。 さらに山道を辿れば西行が庵を結んだ西行庵があるそうです。 境内には義経が隠れたという「義経の隠れ塔」もあります。塔と云うよりはお堂と云う印象。
追っ手に囲まれた義経が屋根を蹴破ったと云う伝説から、「蹴抜の塔」とも呼ばれています。
義経は鞍馬寺で天狗に武術を習ったといわれています。また義経の忠臣だった弁慶は山の民であったと云う説もありとかくお山と深いかかわりを持った人物です。吉野の山も跋扈したのだと思うとなんだかウキウキしています。
ご祭神は鉱山の神として信仰されている金山毘古命(かなやまひこのみこと)。
「神産み」の神話でイザナミが火の神カグツチを産んで火傷をし病み苦しんでいるときに、その嘔吐物(たぐり)から化生した神さまと云われています。神名の通り「金山」(かなやま、鉱山)を司る神さまで鉱山を司どり、また荒金を採る神さまです。
鉱業・鍛冶など、金属に関する技工を守護する神さまともされています。
通常は無人の神社です。 歴史を感じさせる社殿は山奥の神社にふさわしい落ち着いた雰囲気です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/金峯神社
奈良県吉野郡吉野町吉野山1651
アクセス:近鉄吉野線吉野駅より吉野ロープウェイ乗り換え「吉野山」下車、徒歩約1時間45分
◎吉野水分神社 (よしのみくまりじんじゃ)
ガイドさんによれば生活に必要な水を分けた場所に祀られた神社と云うことですが水の豊かな山なので「源流が分かれる場所」と云う意味で使われたと云う説のほうがしっくりきます。
『続日本紀』には芳野(吉野)水分峰神に馬を奉り祈雨したとの記述がありますが創建については不詳だそうです。
現在の社殿は400年ほど前に豊臣秀頼が再建したものです。 豊臣秀吉もこの地を訪れ秀頼を授かったといわれる。当時(400年前)のお神輿も奉納されていました。豊臣の名にふさわしい豪華なお神輿です。
平安時代中期ごろから「子守明神」と呼ばれるようになった。「みくまり」が訛って「みこもり」になり子育ての神社としても信仰されています。境内には産着とともに布で作ったおっぱいが奉納されています。
ご祭神は水を司る天之水分大神(あめのみくまりのおおかみ)さま。
社殿の形は変わっていて横に長いLの字型の拝殿のお向かいに石段がありその上に本殿があります。建物は歴史を深く感じさせとても落ち着いています。山と歴史と神さまが一体になったような雰囲気がここにはあります。
http://www.norinagakinenkan.com/norinaga/kaisetsu/mikumari.html
奈良県吉野郡吉野町吉野山1612
アクセス:近鉄吉野線吉野駅より吉野ロープウェイ乗り換え「吉野山」下車、徒歩約1時間30分
◎吉野神宮 (よしのじんぐう)
駐車場を降りると拓けた土地にビックリします。本殿は落ち着いた雰囲気。吉野の山中にあって土地の広さに驚かされます。
吉野神宮は後醍醐天皇を祀る神社です。
南朝@吉野朝廷の行宮(皇居)になっていましたが後に行宮が「実城寺」に移動しました。(吉野の金峯山寺の近くに塔が残っています。)明治時代までは「吉水院」と云うお寺でしたが廃仏毀釈により吉野神宮に改められました。
吉野神宮は、第九十六代後醍醐天皇を祭神として明治25年(1892)社殿が竣工。
その時に後村上天皇が御自ら刻まれたと伝えられる後醍醐天皇の尊像が吉水神社から移されて御神体とされました。
後醍醐天皇は子供の頃から学問に長け、歌道など文化面にも造詣が深かったといいます。さらに真言・天台・禅宗などの奥義も極められたそうで文化的な天皇さんだったようです。神社のHPには「広大無限な御神徳が得られる」と書かれていました。
境内はともかく広くて気持ちがいいです。御神職の方も丁寧にご挨拶をしてくださりとても気持ちよくお参りできました。
〒639-3115 吉野郡吉野町吉野山3226
電話 : 07463-2-3088
アクセス:近鉄吉野神宮駅より駅前の大鳥居を通って坂道を約1km、徒歩約20分。
またはタクシー。
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